Activity Report
活動報告
技能実習生の妊娠・出産事案に関する新たな事実が判明。
入管や厚労省、外国人技能実習機構(OTIT)は、2019年3月11日,2021年2月16日「妊娠等による不利益取り扱い」の通知を公表しておられます。また、技能実習における技能実習困難時届で、妊娠・出産を理由にしたものが、2017年11月から2020年12月の3年2カ月間に、637件(企業単独型10件、団体管理型627件)」との政府答弁書(先の通常国会での牧山ひろえの質問主意書に答えるもの)で明らかになりました。
これに関連し、牧山ひろえから厚生労働省に関連追加質問を行い、新たな事実が明らかになったので、ご報告させていただきます。
<質問:637件の内容について>
① 技能実習生が妊娠したことで、不利益的取り扱いを受けずに、日本で出産、または、出身国に帰国してから出産後に技能実習を再開できた成功事例(ロールモデル)が、2019年3月の通知以降、何件あるのでしょうか。
・技能実習生が妊娠して、日本で出産して子どもに「特定活動」の在留資格が認められた件数
・637件の内、産休を取得できたり、出産一時金を受け取ることができた件数
・技能実習困難時届(妊娠・出産)が提出された技能実習生のうち、技能実習認定計画の変更届出を監理団体などから提出を受け、新たな認定計画通知書を発行した件数(技能実習を産休後、帰国後に再開できた件数としてとらえることができる)、新たな認定計画の申請がなく、そのまま技能実習を終了したケースの件数をお示し下さい。
⇒厚労省の回答
技能実習実施困難時届出書の届出内容によると、妊娠又は出産を理由とすることが把握できる637 件のうち、技能実習の継続意思を有するものは47 件です(技能実習法施行時(平成29 年11 月1日)から令和2年12 月31 日時点までの累計)。
このうち、技能実習を再開する技能実習計画の認定が確認できたものは11 件です(令和3年8月24 日時点)。(後略)
*解説:「技能実習の継続意思を有するもの」とされていますが、正確には「技能実習の継続意思を表明出来たもの」と理解するべきでしょう。比率で言うと7%に過ぎません。かつ実際に技能実習を再開出来た比率となると、僅か1%に下落します。日本人女性の妊娠・出産後の就業復帰率と比較すると、大きな差異があります。
②妊娠等による不利益取り扱いを行った監理団体や実習実施者、送出し機関は、行政処分されると通知で書かれていますが、現在までそのような処分が公表されていません。指導した件数、行政処分件数などをお示し下さい。
⇒厚労省の回答:現在、男女雇用機会均等法違反による技能実習計画の認定取消等の行政処分等を技能実習法に基づき行ったものはありません。また、外国の送出機関の認定取消は、送出国政府によって行われますが、取消理由が明らかではない場合もあり、件数をお示しすることは困難です。
*解説:通知では技能実習生の妊娠等による不利益取扱いについて行政処分をすることになっていますが、実際に処分を行った事例は確認されていません。
牧山ひろえは、技能実習の正常化に対しての積極的な取り組みを、今後も引き続き求めて参ります。